交差する仮面(キミ)たちへ
脚本 / 演出 獅城 けい
2023年11月、路地裏Qチームにより都内小劇場で
旗揚げ公演として上演された作品です。
ある学校の職員室を舞台に巻き起こるハラスメントをきっかけに、
各々の行動や気持ちに向き合う物語です。
作品について
あらすじ
とある小学校の職員室。 全教員を対象に行われた職務アンケートの結果に、 副校長の副田は頭を悩ませていた。
この職員室で6名の教員から“ハラスメント” を受けたことがあるという回答があった。 ブラック企業化している超多忙の職員室で、中には “退職を考えたことがある” ほどのハラスメントがあるのなら対策をしなければならない。
副田は被害にあった教員に話を聞き、 対策についてハラスメントミーティングを開くのだが...
作品に向けて
被害者に焦点があたり語られることの多いハラスメント問題ですが、その偏った視点こそがハラスメントを助長する要因になり得るのではないか、という危惧からこの物語は生まれました。
違和感を主張できる環境があり、それを受け入れお互いに工夫をしていくことが、コミュニティ及びよりよい社会の発展に繋がることを信じています。
『自分ではなく、相手がどう思うか』を、ひと呼吸おいて考えてみる。小さな想像力の積み重ねで、思いやりのある温かな社会を実現したいという思いを込めて演劇作品として仕上げました。
セクシュアル、マタニティ、ジェンダー、モラル、アルコール…
各々の立場や状況で、傷ついたり不快感を覚え、葛藤する登場人物たち。
しかし被害にあった先生もまた、実は他の先生に対してもハラスメントをする加害者になっています。
『被害者である一方で、加害者でもある』という人間社会の表裏一体性に気づき、それぞれの生きやすさと関わり方の模索に向かうコミュニティの成長を描いた物語です。
お客様の声
40代
学生だけでなく社会人・経営者層にも必要な内容でした。
次回も楽しみにしています。
20代
被害者はもちろん苦しいけれど加害者にも苦しい過去があるということが分かった。自分も気づかないうちに加害者になっていないか、被害者になったときにどう動くか考えるきっかけになった。
20代
過去の辛かった経験や自分の嫌な部分を見る場面では泣いてしまいました。私自身が役者になる夢を追う中で劇団のコンセプトに惹かれて観劇しました。観に来ることができて本当に良かった。